災害ボランティア講座レポ「水害を知る、考える」

防災

災害ボランティア講座「水害を知る、考える。」
2020年10月24日(18:30-20:30)アクロスあらかわ

「水害に遭うということ」 
毎年各地で頻発するようになった水害をニュースで見聞きすることはあっても、それは被災直後の現地の様子ばかり。生活再建までに長い時間を要すること、その間に被災者がどんな生活を送ったのか、そして時間と共に忘れられていく深い悲しみがあることを私たちは知らない。
被災地支援の専門家や被災体験者からお話を聞かせていただいたこの機会に、頻発する水害は自分の住む地域にも起こりうることとして再認識しておきたい。
 

1.家や財産よりも「命を守ること」

自治体が発行するハザードマップは起こりうる災害の情報を事前に知らせてくれる。実際に被害にあった場所とハザードマップの想定浸水域は、ほぼ重なっており、予測精度は高いと言える。決して他人事だと思わず、避難先や避難の方法、タイミングを事前に決めておく必要がある。

荒川の氾濫で区内全域が浸水する(最大深5m)恐れがあるため、高台のある西側に避難するか、遠方へ脱出する必要がある。夜間や浸水が始まってからの避難は難しくなることから、要配慮者がいる家庭や施設は空振りを恐れず早めに避難を開始したい。

警戒レベル5(災害発生)の避難情報が発令されたら、直ちに3階以上の建物への駆け上がるなど命を守る行動をとることが必要だ。


・「地点別浸水シミュレーション検索システム」(浸水ナビ) https://suiboumap.gsi.go.jp/
堤防が決壊した場合にどれくらい浸水するか、何時間で浸水がはじまるか、何日で水か引くかをイメージできる。

・江東5区大規模水害ハザードマップ https://www.city.koto.lg.jp/057101/bosai/documents/haza-do.pdf
近隣地域の情報も参考にして、どの方向へ避難すれば良いかを事前に確認しておく必要がある。

2.生活再建への長い道のり

水害後の生活をどう立て直すのかという情報はあまり知られていない。落胆や悲しみ、漠然とした不安は、普段の生活では起こらない感情で、何から手を付けてよいのか分からなくなる。

生活再建の工程は、廃棄物の撤去、床上げ、乾燥、消毒、家財の搬入など、最低でも1ヶ月、長ければ1年以上。水回りが使えずに銭湯やコインランドリーに行く、3ヶ月経ってもカセットコンロで煮炊きするなど不便な生活を送ったという例もある。

まずは、被災者が水害発生から生活再建までの見通しを立てられるように情報を共有し、困りごとを支援する団体や制度があることを知ってもらうことが必要だ。

・「水害にあったときに」~水害被害から生活再建の手引き~(災害がつなぐ全国ネットワーク) https://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420
必要な手続き、家屋の片づけと清掃、被災者の声など、水害にあった際の対応をまとめた手引書。

・〔水害から命を守る〕浸水した家屋の片づけと清掃どうしたら?(NHK)https://www.youtube.com/watch?v=4NgSuxIu9TE
被災者が何から手を付ければいいのか、これからどんな作業が必要なのかを動画で知ることができる。 
 

3.災害ボランティアの役割とは

荒川区では社会福祉協議会が中心になって災害ボランティアセンターを運営することになっている。被災者のニーズと災害ボランティアをつなげ、困りごとを解決に導く役割を果たしている。

業者や行政ではかかわれない一人ひとりに寄り添う支援ができるのが災害ボランティアのいいところだ。土砂の撤去、家財の運び出し、炊き出し、物資の仕分け、避難所運営の手伝いなど現地に入って活動を行う。

力仕事ばかりではなく、専門家が相談会を開いたり、子どもの遊び相手や学習支援をする、住民と共にイベントを企画するなど、さまざまな形で被災地を支えることができる。
被災者の声を聴き、一緒に悩んで考えて、やってみるという気持ちが何よりも大切だ。

・災害ボラの予備知識(レスキューストックヤード)https://rsy-nagoya.com/volunteer/volknowledge#2
災害ボランティアへの参加をこれから検討されてようとしている方に知って欲しいこと。
 

4.被災者のSOSを見逃さないで

日頃から地域の子どもの居場所づくりをしている地元の民間団体は、災害支援団体のサポートを受けてカフェや遊び場を開設した。

「即席めんばかりで口内炎ができた」「ご飯を作る気力が湧かない」と話す被災者に野菜がたっぷり入ったカレーを振舞う。子どもの遊び場には、ハンドマッサージやコーヒーを楽しみながら話ができる保護者向けのコーナーも併設した。

普段から一緒にいる仲間であり、被災者同士だからこそ、わかる事、できる事もたくさんあった。自宅を片づけたい両親に替わり日曜日に子どもを預かる、子ども服を集めて仕分けし1~2日分の着替えとして渡すなど、きめ細やかなサポートができたのも平時の繋がりがあってこそだった。

・民間団体「よりみちステーション」(佐賀県武雄市) https://yorimichistation.org/
地域の誰もが気軽に集え、語らいのできる居場所を提供し、子どもが主体的に過ごし・学び・育ち合うことのできる場づくりをしている。

・民間ボランティア団体「おもやいボランティアセンター」(佐賀県武雄市) 
https://www.facebook.com/omoyaivc/
豪雨災害の被災者に寄り添い、力仕事から小さな困りごとの相談まで支援活動を行っている。

 
◇講座でお話してくださった方々
松山文紀さん(災害対応NPO MFP代表)
小林由枝さん(佐賀県よりみちステーション代表)
加納佑一さん(東京ボランティア・市民活動センター災害担当)

◇主催
荒川区社会福祉協議会 荒川ボランティアセンター

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